[ 007 ] マイクロウェーブ温熱療法

免疫療法
がん病巣をマイクロ波により温め、死滅させる

概要説明

マイクロ波治療(温熱療法)の原理

    (1)がん細胞は41℃あたりから死滅し始め、42.5℃以上では生命を維持することができません。

    (2)がん病巣にマイクロ波を照射させることによって、がん病巣を温め死滅させるというものです。

    (3)癌細胞壊死の作用機序

がん細胞は、成長するにつれてがん病巣への血流を多くして、酸素不足・栄養不足を解消しようとします。そのため、がん病巣へ血流を増加させるために、がん細胞自ら新たな血管を作り出して栄養吸収するための補給経路を確保しようとします。

また新たな血管を作り出すことによって、がん細胞が他の臓器へ転移していく経路を確保しているとも考えられています。但し、この血管は患部から血液を垂れ流すような極めて粗雑なつくりであり、また熱にも弱い作りとなっています。

マイクロ波による照射熱でそうした新生血管を破壊し、がん細胞への酸素・栄養経路を絶ち、がん細胞を死に至らすという治療法です。

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侵襲の少ない治療で効率も良い

他の温熱治療とは異なりわずか7~8秒でがん細胞を加熱するため短時間で終了します。一度の施術で30分の間に3回の治療を行うことができます。

機種にもよりますが、週3~5回の治療も可能です。(過熱が数秒なのでがんが熱耐性を持ちにくく、頻回の治療が可能)

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単独、または各種治療との併用で使えます。

臨床成績(参考資料)

適応するがんの種類

脳や骨転移を含む全身の固形癌、術後の再発抑制など。抗がん剤治療期間中の作用増強効果も期待できます。

抗がん剤との併用効果

図は、HCT116(大腸癌細胞)に対するISMバンド電磁波照射とシスプラチンの影響を調べたもので、シスプラチンのIC50はISMバンド電磁波照射なしでは7.86μM/mLであったが、ISMバンド電磁波を照射した場合には2.36μM/mLと約1/3となったことから、効果増強作用や副作用低減作用を期待できます。

この原理はISMバンド電磁波が化学物質をイオン化する作用があり、シスプラチンのDNAへの結合が促進されたために、相乗作用が現れたものと考えられます。

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