[ 008 ] CART

免疫療法
腹水からがん細胞を濾過して再注入する

概要説明

がん抑制遺伝子が壊れたために増殖しているがん細胞の「壊れた抑制遺伝子を活性化」して癌自身を縮小、退縮させることにより、腹水の再貯留を食い止める治療法です。この遺伝子治療は局所療法が向いており、頭頸部の癌に直接注射したり、胃、食道、大腸などの内視鏡にて局注可能な癌にも有効です。

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治療法の特徴

難治性の癌性腹水に対する治療戦略としてCART+遺伝子治療薬腹腔内投与

CART 腹水濾過濃縮再静注法

CARTとは、Cell-free and Concentrated Ascites Reinfusion Therapy: 腹水濾過濃縮再静注法の略で、肝硬変やがんなどによって貯まった腹水(又は胸水)を濾過濃縮(ろかのうしゅく)して、アルブミンなどの有用なタンパク成分を回収する治療法です。

効率よくアルブミンを再投与するため腹水の再貯留を遅らせる効果も期待できます。(血中アルブミンが低下すると浮腫や腹水の増悪につながります。)

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遺伝子治療薬腹腔内投与

RT181など遺伝子治療薬を用いてがんに特異的に過剰発現しがんの性質を維持しているCDC6タンパクを当治療薬で消去することによりがんの成長を停止させてがん細胞のアポトーシス(自殺)・老化を誘導させる治療法です。

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癌性腹膜炎の腹水

ある患者さんでは、癌性腹膜炎の腹水へCART後に投与することにより腹水穿刺だけで週に3~4L貯留していた腹水を、一回目投与で2週間で1Lまで消失させ、二回目で貯留なしまで改善できている方もおられます。

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